フランス語で「双子」を意味するJumeauxは、新潟の酒屋・長谷川屋さんの2号店オープンを祝して作ったミードです。同じく新潟の阿部農園さんのル・レクチェとカリンを使用しており、口に含むと双方の香りが優しく頬の中をツンツンとしてきます。
乳酸による酸味もしっかりついてますが、これは家族構成で言えば定番で作っている「The Last Supper/ラストサパー」の双子のようなものだからです。最終的なアルコール度数やフィニッシュの糖度をなるべくラストサパーに近づけるような仕込みです。
カプレーゼやフルーツとの相性もとても良く、ランチからでもサクッと使ってもらえる1本になりました。ラベルのお花は僕たちからのお祝いの証。
'24年に仕込んだJumeauxはル・レクチェとカリンの量を大幅に増やしてもっとジューシーな口当たりにしました。とってもキュートで、きゅっとした酸味。日本海側の旨味がつよい料理との相性も良い。ぜひ地のものとペアリングしてみてください。
〈Niigata→Peace〉
出会いから知ってほしくて、Brewer's Noteはそのままです。
新潟の長谷川屋さんと阿部農園さんとコラボをすることが決まってからとてもワクワクした気持ちでいっぱいでした。ル・レクチェもカリンも初めて使う素材だし、青いうちに収穫していただいた双子のフルーツを自分たちで追熟させるのもとてもワクワクしました。
色んなワクワクが詰まって、リリース予定日も決まっていた中での2024年1月1日の震災でした。
リリースどうこうよりも北陸地方のみなさまの無事がなにより心配で、無事が確認できた後は自分たちにできる手助けについて考えることになりました。僕は大学受験のいわゆるお勉強は得意でしたが、実社会での経験がなにより少なく、こういう場面でどのようなことをすべきか全くわかっていない質です。
僕たちのお酒を手に取ってくれた人が美味しいって少しでも笑顔になってくれたらいいな、むしろそれしかできることないかも、って感じで。本当は売上の一部を使ってボランティアをしようと思ったのですがニュースを見ていると被災地への一般アクセスはストップしていたので、今回はシンプルに売上1本あたり100円を寄付させていただきます。
とても製造量が小さく、胸を張って言える金額ではないかもしれませんが、少しでもpeaceが新潟から富山、氷見、金沢、能登へ広がっていくことを祈っています。
〈Tasting Note〉
色味は少し白濁した小麦色。軽い発泡性。香りは発酵によるニュアンスが強く、奥に柔らかいカリンの香りが佇みます。口に含む乳酸のアタックがあり、じわじわとル・レクチェ、カリンの奥ゆかしい香りが鼻を抜けていきます。ほっと一息ついて、食事を食べたくなる子です。
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スタイル:Melomel - Fruited Mead -
ABV(アルコール度数):8%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: 純正蜂蜜、ル・レクチェ、カリン
甘さ(10段階):3 (semi-dry)
飲み頃温度:冷やして(4-8℃)
〈Mead making〉
今年のJumeauxは、豊富な量のカリンとル・レクチェを使いました。量でいえば、3倍近い量。
何度もタンクに漬け込んだり、熟成したりと繰り返していくうちにボディーが出てきて、ジューシーさすら感じるような味わいになってきました。
阿部農園さんのポテンシャルがぎゅっと詰まった1本です。