Yesat for Mead - 最適解は?

アルコールは空気中に存在する酸素や二酸化炭素のように勝手にあるものではなく、酵母や他の微生物が発酵という過程を経て、作り出すもの。

僕達に個性があるように酵母や微生物にも個性がある。
アルコールの出しやすさや、副産物、その他諸々。

だから、お酒を作るときに何に発酵をお願いするかがとっても大事。ビールの世界にはスタイルごとに適した酵母がたくさんあるし、ワインの世界にもこのブドウに向いてるもの、こんな味わいにしたいならこれ、とか。

日本酒の「協会酵母」という言葉を聞いたことがあるように、世界には色んな酵母メーカーがあり、酵母には名前がついています。

ではミード用の酵母、というのは世界に存在するのでしょうか?
存在するとすれば、どんな特徴があるのでしょうか?

見ていきましょう。

ミードの酵母専門会社はあるのか?

ありません。
あっても多分無名すぎてネットの海に出てこない。

ミード用酵母と言われるものは、大手の酵母会社が1種類だけ置いてるくらいの感じです。具体例をみてみましょう。

ミード用酵母の例 

Mangrove Jack's - M05
たまに日本で使ってるブルワリーがあるニュージーランドの酵母会社。こちらの酵母は低温で発酵させると花のようなエステルが出る、アルコール耐性が高いことからミードに向いているというようでした。
でも”アルコール耐性が高い”を具体的に数字で出してるわけではないです。栄養素必要。

White Lab - WLP720 Sweet Mead/Wine Yeast
水に溶けている酵母のみを取り扱う超有名酵母会社。日本のブルワリーも採用しているところが多い印象。WLP720は同じラインのWLP715よりもアルコール耐性が低く、10-15%で止まってしまいます。
エステルも多少出るので華やかで、アルコール耐性が低いことで糖度を残してフィニッシュする可能性があります。

Wyeast - 4184
10年前くらいからよく聞くようになった酵母会社。読み方は「ワーイースト」。読み方を間違えるとちょっと舐められるので今勉強しておきしょう。
この酵母はアルコール耐性が11%ととても低く、糖度を残してのフィニッシュにも向いているようです。どのミードでも2-3%は糖分を残せるとのこと。ほんと?笑
栄養素必要。

どんな酵母がミードに向いていると考えられている?

世界が考えるミード用の酵母は「甘味が残しやすい」「花のようなエステルが出る」ということのようです。

甘味を意図的に残すには発酵を途中で止めることが多いのですが、それによる弊害ももちろんあります。
しかし、酵母のチョイスにより自然に甘味を残すことができればそれが理想的です(蜂蜜を煮込んで糖分構成を変えるテクニックもあるのですが、そんなにうまいこといきません)。

ワイン酵母に比べると10%でも発酵が止まる可能性がある酵母がミード用酵母に向いてると書かれていることが多いです。

ANTELOPEでは?

じゃあ僕達は何を使っているのかというと、上記のものはどれも使っていません。
アルコール分が8%など、低いものの生産も多いからアルコール耐性による発酵終了が期待できないからです。

むしろ「ケミカルな栄養素添加が少なくていい」とか、「フルーツの香りをもっと引き出しやすい」などの酵母を選択することが多いです。

最近は岡田くんがたくさん勉強していて、別の角度からイースト選択をしていたりしているので、それも追って紹介していきますね👆️