「ミードは甘いから寒いときに飲むお酒なのかな?」
と聞かれることがたくさんあります。
確かに蜂蜜の甘さや、温めても楽しめるというイメージから、なんとなく「秋冬の飲み物」と思われるのも無理ありません。
〈そんなことないですよー!!〉
40℃以上の醸造所では毎日のテイスティングや実験を通しながら、夏でもミードが楽しめることを実証してきました。今日はそんな〈夏ならでは、なミードの楽しみ方〉を紹介します。
また、名古屋の人気飲食店「CISCO」が実際に提供している夏メニューのペアリング事例も一緒にご紹介します。
ANTELOPEスタッフが選ぶ、夏のミードの楽しみ方
僕達だからこそおすすめできる夏のミードの楽しみ方をまずは紹介します。
1. さっぱりとした前菜と合わせて
いろんな楽しみ方があるとは言ったものの、それでもまずはそのまま冷やして飲んでみてほしい。ただそれだと一緒じゃないか、ということで僕達が推す夏のおすすめは前菜と楽しんでみること。
よく冷やしたミードと合わせる冷菜があれば、この夏も十分楽しめるはず。
まず最高なのは「南蛮漬け」。美味しい鮎が出てくるシーズンに好きな野菜を入れた南蛮漬けといっしょにミードはGood。
特に僕達はThe Last Supperがいいけど、Thi is itみたいに甘みがあるタイプやDeepseek Hoenyみたいにもっとどっしりしたミードでも良い。
僕達が自社出版する「あたらしいミード」のvol.3でも紹介した〈夏の桃が香る真鯛のセビーチェ〉も冷やしたミードと相性バッチリ。What Churchill Saidと合わせるならお好みでタイムやローズマリーを散らしてみて。
2. 氷を入れてロックで楽しむ
シャンパンみたいに氷を入れて飲むのも夏らしいミードの楽しみ方。甘いミードも、キリッとした雰囲気をまとい、サラッと飲めていつも違う雰囲気。色んなミードを氷に入れて飲んでみるのも楽しいです。帰宅後の一杯や、食前酒、ちょっと一息つきたい休日の午後などにおすすめです。
ただ、アルコールが低いミードは氷が溶けすぎちゃうと薄く感じることもあるので、注意。
3. アイスクリームと一緒に楽しんでも
バニラアイスにフルーツミードをかけてみたり、樽熟成のミードをかけてみても◎。ウィスキーをバニラアイスにかけるのはよく聞くけど、そもそもウィスキー飲めないよって人もたくさんいると思います。そんな方でもミードならアイスにかけても大人のデザートを楽しめます。
寝る前の自由時間を高めたいときや、休日のもう運転しなくなった夕方頃、新幹線の移動中(マナーをよく守ってね)。
ちょっと違う贅沢をしてみてもいいですね。
僕達の楽しみ方どうだったでしょうか。
次はミードを常設しているお店ならではの夏ミードのおすすめです。
名古屋「CISCO」の夏ミードのすゝめ
名古屋市の伏見駅から、栄駅に向かって歩くこと5分。高層ビルが立ち並ぶ中、白地に黒いロゴの暖簾が目を惹くお店「CISCO」。ミードを定番として置き続けているお店ならではの、夏のミードペアリングのおすすめを伺いました。
もっとCISCOの楽しみ方を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
1. シーザーサラダ x What Churchill Said
シーザーサラダは、葉物野菜、ドレッシング、ベーコン、チーズで構成され、本来甘みが少ない料理。そこに削りたてのパルミジャーノ・レジャーノ。良い意味でのチーズの臭みや旨みと「What Churchill Said」を合わせると魔法が起きます。
まるでライムを絞ったかのような甘みが足されて、最後はジュニパーベリーのすっきりさが洗い流してくれます。またベーコンのちょっとジャンキーな感じとWhat Churchill Saidが、ベーコンレタスバーガーとジンジャエールを飲んでいるようなクセになる感覚を残してくれて、食欲を掻き立ててくれる最高の前菜でした。
2. ウフマヨ x The Last Supper
フレンチのアミューズのような、最初の一品として。
自家製の「うふまよ」ソースは、アンチョビペースト、卵黄、生クリーム、オイル、ディジョンマスタードなどを使用。酸味と旨味が特徴的な、濃厚な前菜です。
これに酸味のある「The Last Supper」を合わせると、濃厚な口の中をさっぱりと流してくれて飽きがきません。乳酸の爽やかさが、マヨネーズの濃厚さを洗い流し、最後に蜂蜜のほんのり甘い余韻が残る。
暑いけどガッツリ食べたい、そんな時には「The Last Supper」が駆けつけます。
3. カプレーゼ x 金柑祇王
トマトと柑橘は、実は最高の組み合わせ。
トマトとモッツァレラチーズには、グルタミン酸という「うま味」成分が豊富に含まれています。このグルタミン酸は、舌全体にじんわりと広がるような、まろやかで「あとを引くおいしさ」を生み出します。いわゆる「コク」や「だしの効いた深み」といった、料理のおいしさを底上げする味わいです。
そこに、「金柑祇王」の蜂蜜と金柑の甘みが加わることで、うま味の相乗効果が生まれ、単独では感じられない深みのある味わいに変化。トマトの甘さが際立ち、まるで「新しいフルーツを食べているような感覚」になります。夏にぴったりの軽やかながらも満足感のあるペアリングです。
おわりに
夏は「ビール」か「いい感じの泡」をつい求めてしまいます。毎年おんなじ夏じゃなくてもいいんじゃないかとANTELOPEは夏もミードを推しています。
冷たくして、軽やかに。
前菜に合わせても、食後のデザート代わりにも。
いつもと違う夏、そんな気分をミードならできるかも。
今年の夏は、ぜひミードでいろんな楽しみを増やしてみませんか。