お酒の境界線を溶かしていくという目的でhaccobaさんとお互い同じ原材料で違うお酒を作りました。
作ったのはJapanese Braggot。穀物を使用したミードのスタイルですが基本はビールとミードの間の子。今回は同じ穀物でも麦ではなくお米と米麹、そしてホップじゃなくてワサビを使用してみました。これはなんだ、サケか?って楽しんでください。
〈Minami Soma⇔Yasu〉
haccobaさんとのがっつりとした出会いは2023年ICC SAKE AWARDでした。すごい酒蔵さんがたくさん出る中で、味わいという部門でトップを取ったhaccobaさん。
あーいいな。美味しいって唸らせる酒作ってるのいいな。いいないいな。
そんなhaccobaさんからお米を使ったブラゴットを作ってみたいという提案をいただきました。僕らからすると、ブラゴットって穀物+蜂蜜って概念よりビール+ミードっていうニュアンスが強かったので、米+蜂蜜のジャパニーズブラゴットという概念に驚きとワクワクが止まりませんでした。
〈Tasting Note〉
濁りの奥に見える蜂蜜の黄色。白麹由来の酸味、でもサケとは異なる口当たり、吟醸香ではなくあくまでミードの発酵感。奥深いところにフレッシュなワサビの青い香り。辛味はない。
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スタイル:Japanese Braggot
ABV(アルコール度数):6%
炭酸:なし
内容量:500ml
原材料: 米、蜂蜜、米麹、ワサビ
甘さ(10段階):3(Semi-Dry)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
〈Mead making〉
米、米麹を混ぜてマッシングしました。もみ殻を入れようかと迷いましたが、きっと昔の人はもっとシンプルにやってそうだなと思って、むちゃしました。結果的には色んな犠牲を払って、米ジュースを取り出すことに成功しました。
米ジュースに蜂蜜を混ぜて発酵させて、フィニッシュ間際にワサビをドライホップして仕上げました。微発泡ですが、固形物が多いので拭きやすいのでご注意ください。
〈Naming & Design〉
テーマを「鮭」にしました。今回のお酒は、ジャンルの境界線を溶かしていくことにあると考えました。鮭って海の魚なのか、川の魚なのか分からんなって思ったら、このお魚は境界線がないな?と思って。
デザインには鮭が二匹。海の鮭と、川の鮭。どっちも泳げるなんて多分ロボットなんだろうなって、鮭。
名前は、Pink(淡)。本当はGlayにしようかと思ったんです。黒か白か曖昧なところにグレーってあるし、今回のお酒はそれがテーマだし。でも、赤と白の境界線が曖昧な色もあるなと。ピンクや!と思い、即決でした。
(淡)は、滋賀だから。僕たちには海がなくて、僕たちのサケは淡海産。haccobaさんはPink(洋)。それぞれが思うPinkと鮭とサケを表現しました。