高知のキセツノオヤサイ葉屋さんの人参を男三人で雨の中せっせと掘ってきた想い出のミード。雨の匂い、割れた人参から香る力強い香り、隼人さんの優しい雰囲気、高知のきれいな空気。
「人参のそのまま、なんとも言えないあの甘さ」
という隼人さんの言葉をキーワードに、レシピを組んでいきました。
穏やかで、優しくて、何があるってわけでもないけど夜に人参のお酒を飲む日常があったら素敵じゃないかと。
そう思って作りました。隠し味のクミンを見つけられたら、それはとってもセンスフル。
〈北海道⇒野洲⇒高知〉
アンパンミュージアムを片目にもう少し国道を進むと隼人さんの農地につきます。ぱらつく雨の中に広がる緑に黄色、黄緑に紫。決して眩しいわけではないんだけど、生きてることを訴えかけてくるような作物が今か今かと収穫の時期を待ちわびているように見えました。
いい土地なんです、と話す隼人さんの笑顔がとっても自然で。
心臓から言葉が出ているとはこういうことなのだと思う。
もともとの出会いは北海道の「根本酒店」さんのご紹介。今度、人参農家の友人が工場行くからよろしくどうぞ、ということで。こちらこそ、よろしくどうぞです。そんなイッテコイ、ヤッテコイ精神で始まった会合初日。生で人参を食べさせていただき、すぐにやりましょうと。だって美味しいんだもん。
掘った人参を土をつけたまま、工場に持って帰り、仕込みに使いました。
なるべく方向性は決めるけど、どうやっても人参が美味しんだから美味しいよと呟きながらの仕込みでした。
〈Tasting Note〉
人参のほのかな甘さに、懐かしい匂いをそのまま詰めました。蜂蜜由来の穏やかな酸だけが人参にはないエッセンスで、それもミードならではのおもしろさです。隠し味のクミンは鼻から抜けてくる香りで気づくかも。
ラペみたいな構成ですが、本質的にはグラッセ。ハンバーグと一緒にぜひ。
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スタイル:Speciality
ABV(アルコール度数):8%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: 蜂蜜(ミャンマー)、人参(高知・オヤサイ葉屋)、クミン
甘さ(10段階):6(Semi-Sweet)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
〈Mead making〉
人参を茹で、茹で汁を仕込み水として、皮はローストして使用。信頼できる農家さんとだから出来る大胆な仕込み。隠し味に少しクミンをいれました。
〈Naming〉
キャロットラペにはクミンをいれるよ、と色んな料理人の方に教えてもらい、人参の香りを引き立たせる重要な要素と思いクミンを少しいれたGlacé。
ではどうして、ラペではなく、グラッセなのですか?と。
だって人参を薄く刻んで、生でつかってないんだもの。人参を茹でて、茹で汁に蜂蜜を混ぜて、マッシュした人参をそれに混ぜる。どっちかというと、人参のグラッセに近いんだもの。
ラベルはGlacé/グラッセの響きがどことなく女王様のように感じましたのでフォントと背景色は少し女性っぽく。人参は堂々と存在するギャップ萌えを狙いました。