まじマッコリ 〜 nurukの作り方と発酵〜
Nurukとは
Nuruk(ヌルク)は、韓国の伝統的な発酵のもとで、主にお酒作りに使われる材料です。
小麦や大麦などの穀物を発酵させて作られ、発酵の過程で生まれるカビと酵母によりデンプンの糖化とアルコールの生成が行われます。
- コウジカビやクモノスカビに含まれる酵素(アミラーゼ)によりデンプンが糖分(マルトースやグルコース)に分解される
- サッカロマイセスやピキアといった酵母により糖分が代謝されアルコールと炭酸ガスが生成される
- 1と2は並行複発酵と言われ同時に行われる
日本の「麹(こうじ)」に似た存在ですが、Nurukは独自の製法や特徴を持ち、韓国のお酒「マッコリ」や「ソジュ」などを作る際に欠かせないものです。
余談
ヌルクを米麹と比較した研究では、ヌルクは米麹に比べαアミラーゼとグルコシダーゼの活性が弱いが、βアミラーゼの活性は4倍近くあったそうです。どちらもデンプンを分解する酵素ですが、役割や最適な温度が違うのでヌルクと米麹の面白い違いのひとつといえそうです。
材料と道具の準備
Nurukを作るために必要な材料と道具を事前に揃えることで、発酵をスムーズに進めることができます。
材料
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小麦 1kg:大麦や米を使って作ることもできますが、小麦で作るのが最も糖化の力が強いです。
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水 300ml:清潔な水を使いましょう
道具
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円形や四角形の枠
材料を押し固めるための枠です。韓国では専用の木枠が売っているみたいですがおそらく日本では買えません。僕はケーキ用の丸い型を使って奥さんに怒られました。 -
布
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大きなボウル
Nurukを作る
実際にNurukを作る手順をまとめてみました。
- 小麦を粗めに挽きます。
- 少しづつ水を加えながら混ぜ合わせます。
- 10-15分混ぜた後、ネバネバとして感触になってきたと思ったらひとかけらをとってください。真ん中から裂いた時に糸が引いていればokです。
- 型をテーブルに置きその上に布をしいてください。そこに混ぜ合わせた小麦を敷き詰めます。均等になるように角や縁にもしっかり詰めます。
- あまった布をクルクルと回してきつく結びます。中央を強く押してくぼみを作ります。これにより水分が逃げる場所ができます。
- 最後に20回ほど足で踏み固めます。しっかり固めないと崩れやすくなります。
コツは適切な粘度になるように水分を調整することです。
僕も最初はボロボロで全く固まらずおかゆにして食べた経験があります。。。
Nuruku house
小麦を固めただけではnurukを作ったとは言えません。「ヌルクハウス」と呼ばれる発酵容器を作ります。
目的は、内部の温度と湿度を適切なレベルで適切な時間保つことです。
作り方
・ヌルクが入る大きさの発泡スチロールを用意してください。湿気や匂いが残らず掃除もしやすいのでおすすめです。
・発泡スチロールの底に穴をたくさん開けます。通気性をよくするためです。
・温度を保つためにわらや葉を敷きます。麻や松葉、よもぎなどは害虫が少なくて良いそうです。
完成です。簡単なようで植物を手に入れるのが難しいです。僕は農家さんにわらを分けてもらいました。
何に使うの?と聞かれたのですがヌルク!とは言えませんでした。
発酵のコツ 777メソッド
ヌルクハウスを用意できたらようやく発酵です。
発酵を上手く行うための777メソッドという方法があります。
管理を1週間ずつ3セットに分けています。
1週目 最初の7日間の目標は湿度を保つことです。1日に一度ヌルクをひっくり返し壁の側面の水分をふきとります。2,3日目にヌルクが温かくなっていれば発酵が進んでいる証拠です。
2週目 ここでは徐々に水分を取り除いていきます。蓋に10円玉ぐらいの穴をあけ通気性を上げます。1週目と同じようにひっくり返します。ここで表面のカビが内部に侵入していきます。
3週目 最後は完全に乾燥させます。箱から取り出し、日光の当たる場所で乾かします。吊るし置きできるとgoodです。
ヌルクは 30 ~ 40°C の温度で発酵します。なので、室内の温度が 18 ~ 25°C の場合、ヌルクハウスの上に毛布を置いて暖かく保つ必要があります。乾燥しきったら割って中を見てみてください。
健康なヌルクは内側が乾燥していて、ところどころに黄色がかった/金色または緑色の小さな斑点がある場合があり、「パン」に近い香りがします。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
普通の発酵に飽きてしまった貴方。
nurukを作ってみるのはいかがでしょうか。