〈Brewer's Note〉宮本

愛媛県の宇和島から届いたブラッドオレンジを2種類使ったミード「宮本」の紹介。

〈Yasu→Uwajima〉

滋賀から車を走らせること6時間。愛媛県は南部に位置する宇和島に様々な柑橘を有機栽培で作られている宮本農園さんに行ってきました。

宮本農園さんとの出会いは、フレッシュなブラッドオレンジを使ってミードを仕込んでみたいなという想いからでした。宮本農園さんをネットで見つけて、現地での栽培を見てみたいと宮本農園さんにお願いしました。「ご縁がありましたので、ご協力ができればと思います。」とのことで、翌週すぐに愛媛に向かい飛び立ちました。

 

農園につくと目の前すべてに様々な柑橘が実っていて、柑橘王国に恥じぬ素晴らしい光景でした。宮本さんはJAを抜けて、有機栽培で清見・はるか・河内晩柑などの柑橘、そしてブラッドオレンジを育ててくれています。爽やかに晴れた日に、農園で柑橘をもいで食べたときの感動は言葉にできませんでした。「農場で食べるミカンがやっぱり一番美味しい」という宮本さんの言葉が印象に残りました。

 

〈Tasiting Note〉

色調は少し濁りのあるオレンジ。ブラッドオレンジの皮、少しインキーで乳製品の雰囲気を少し纏ったフレーバーに、海の近くで育った柑橘から感じるミネラル分とブラッドオレンジの柔らかい酸が特徴的。フィニッシュにブラッドオレンジの果汁感が引き立ちます。残糖はミードでは少なめで、食中酒にもグッド。フルーツを巻いたプロシュートやハム、サーモンのマリネも頭に浮かびます。

蜂蜜:ミャンマー産蜂蜜
フルーツ:モロ(ブラッドオレンジ) 33%, タロッコ(ブラッドオレンジ) 67%
発酵:果汁を全量蜂蜜と混ぜてから発酵、タンクで1ヶ月半の熟成。
アルコール: 10.5%
pH: 3.72
残糖: 36.3g/L
内容量:750ml

 

〈Mead making〉

宇和島で採れたてのブラッドオレンジを2品種使用。果実が実ってからは一切の農薬を使用していないので、酵母に与える影響も少なく発酵前から果汁を投入することにしました。宮本農園では、毎年2品種のブラッドオレンジをブレンドしてジュースを販売しています。今年は香りと発色の良いモロを33%、 酸味と糖度の高いタロッコを67%でブレンドとのこと。僕たちも宮本農園に最大限のリスペクトを送り同じ比率で果汁を作り、ミード作りに利用しました。

白ワイン用の酵母を低温で発酵させ、なるべく果汁の主張が強い発酵になるようにしました。栄養価が高く、低温でも主発酵自体はとてもスムーズに終了。1ヶ月半のタンク熟成を取り、骨格が丸みを帯びてきたところで瓶詰め。時間とともに酸を感じるような仕上がりになったが、フレッシュなうちに是非飲んでもらいたい1本。