〈Brewer's Note〉Kinoshita

こんにちは!やざわです。

つくり手ならではの目線から商品紹介をしていきます!
今回は贅沢な量のピンクグレープフルーツとアクセントに唐辛子を少し使用したジューシーな「Kinoshita」を紹介していきます。

 

 

Kinoshitaの特徴

  • グレープフルーツをかぶりついてるようなジューシーさ

  • 爽やかな酸味と優しい余韻の渋み

  • アクセントに使用した唐辛子の複雑なフィニッシュ

ピンクグレープフルーツの果汁由来のジューシーさが果物にかぶりついてるような幸福感を与えてくれます。どうしてこんなにジューシーなんだろう?よく言われるフルーツ由来の口当たりはペクチンですが、グレープフルーツって意外とペクチンが多いんですね。(桃とかマンゴーとかのあのトロッとした感じがペクチン由来なんです。)
今回つくったKinoshitaはジューシーさに加えて酸味と渋みが本当にグレープフルーツの美味しさをダイレクトに伝えてくれます。そこにほんのりと加えた唐辛子がアクセントになっていて、グレープフルーツだけではない複雑なフィニッシュを演出してくれました。

 

エピソード

とっても仲良くさせていただいてるKinoshitaさんの新しい飲食店オープンを祝って、醸造することになったコラボミードでした。

どんな味わいにしようか?
こんな食事と合わせてみたいかな~

など色んな会話や実験を重ねて、今回のレシピに至りました。仕込み当日は朝から市場に向かい、みんなで200kg以上のグレープフルーツを手絞りしました。遠足みたいで楽しそうな表現ですが、2時間以上続けると謎の手首の痛みに襲われたり、グレープフルーツ果汁が目にかかるなど非常に険しい戦いでありました。
それもこれも予め注文していた業務用ジューサーが突如届かなくなったというトラブルが元凶なのですが。

発酵中に唐辛子をごく少量漬け込んで複雑な味わいを出しつつも、はっきりした辛味はつけないようにするバランスを実現するのが一番の個人的な課題でした。唐辛子由来のカプサイシンはバニラのような匂いのバニリンと物質の形がほぼ一緒で、甘い匂いがしてビールの世界でもミードの世界でも採用率の高いスパイスです。ただ、このカプサイシンは抽出してしまうと取り出すのが非常に難しいのが両刃の刃になりやすいです。少量ずつ少量ずつ入れるとか、アルコールに抽出してから混ぜるというテクニックもあるのですが、いずれもタンク開閉のリスクやそもそも免許的にアルコール混ぜれないとか制約があってなかなか「これ!!」という方法が見当たりませんでした。

結果的に丁寧に処理した唐辛子をほんのり効かせることができて、主役のグレープフルーツを際立たせることができたのかなと思っています。

ギュッとした飲みごたえと食欲を煽る味わいの構成がパーティーを彩る至高の1本になりました。最高のペアリングを求める食にストイックな方は名古屋のKinoshitaを取り扱う最高のお店まで行ってみてください👐

 

Kinoshitaの紹介動画もつくってみたので、よかったらそちらもご覧いただけると嬉しいです。