蜂蜜から足の裏の匂いがする
このまえお客さんに蜂蜜をもらったんです。そしたら匂いを嗅いでびっくり。なんと蜂蜜から足の裏の香りがしたんです。
時を同じくしてオフィスでも足の裏のような納豆のような香りがするという事件が発生していました。
そしてついにその香りがオフィスに散乱していたホップによるものだと判明しました。
自分の足が臭いんじゃないかという一抹の不安を拭い去ったと共に、この二つの香りには何か関係があるんじゃないかということで今回調査してみることにしました。
足裏の香りの原因は何なのか、何故蜂蜜から香りがするのかどうぞ自分の足の香りを一度嗅いでみてから読んでみてください。
1.足裏の匂いの原因
2.ホップとイソ吉草酸
3.なぜ蜂蜜から足裏の匂いがするのか?
4.まとめ
足裏の匂いの原因
足裏の匂いの原因
ジメジメするような季節になるとやってくる足の香り。
嗅いだことはありますか?ありますよね、僕はむしろ好きです。
実はこの香りの正体は「イソ吉草酸」という物質なんです。
イソ吉草酸は脂肪酸と呼ばれる物質で弱酸性の特徴があります。
足の裏には表皮ブドウ球菌とよばれる細菌がわんさかいるのですが、この表皮ブドウ球菌が皮脂や角質を餌にすることでイソ吉草酸が代謝されるんです。
何しとんねんこの細菌といいたいところですが、実は肌を弱酸性に保つことで病原性の高い黄色ブドウ球菌の増殖を防いでくれたり、グリセリンを出して肌を守ってくれるとてもいい子なんです。
このようにイソ吉草酸は微生物の代謝(BCAAというアミノ酸から酵素反応により脂肪酸に分解される)によりチーズや納豆といった食品中にも存在します。
そして醸造においてイソ吉草酸と言えば・・・続く
***
ホップとイソ吉草酸
ホップとイソ吉草酸
実は、冒頭のホップが臭かった原因もイソ吉草酸なんです。
ホップにはルプリンと呼ばれる黄色い樹脂成分があり、そこには苦味成分であるα酸とβ酸が含まれています。このα酸とβ酸は時間と共にどんどん酸化していきます。
そして酸化によりフムロンと呼ばれるα酸からイソ吉草酸が生成されてしまうのです。特に常温で放置していると酸化が進むらしく例のように部屋中足臭の匂いになってしまったのです。
また表皮ブドウ球菌同様に酵母もイソ吉草酸を代謝するようですが、ビールにおいてイソ吉草酸がオフフレーバーとなるのはホップが原因であることが多いそうです。
足臭のお酒を発見した場合は至急こちらまでご連絡ください。
***
なぜ蜂蜜から足裏の匂いがするのか?
なぜ蜂蜜から足裏の匂いがするのか?
足裏の香りの正体はイソ吉草酸という物質でした。
実はこのイソ吉草酸、植物の精油など自然界に普通に存在する天然物質でもあるんです。
さらにこの問題の貴重なヒントになる研究を発見しました。
それが菜の花蜂蜜に含まれる香り成分と菜の花に含まれる香り成分を比較した研究です。
これが非常に面白くて、蜂蜜にはあるけど花にはなかった、花にはあるけど蜂蜜にはなかった香り成分がそれぞれあったりするらしいのです。
特にダマセノンというワインや芋焼酎に含まれる香り成分が、蜂蜜ではかなり強い香りとして検出されたのに対し、花からはまったく検出されなかったらしいのです。
そしてこの研究で僕が注目したのが、この菜の花蜂蜜にはイソ吉草酸が含まれており、それが菜の花からミツバチによって移されたということです。
なるほど!足臭の原因は蜜源だったのか!という具合です。
ここで一つ疑問に思ったのが、植物からそういった香りを感じたことないなと思ったんです。
蜜源植物からは香りがしないのに蜂蜜からはするということがあるんじゃないかということです。
可能性としては植物では香り成分が他の物質と結合した状態で存在しており、それが蜂の酵素や微生物により結合が解かれるんじゃないかということが考えられそうです。
または植物の蜜に含まれている時よりも水分量の少ない蜂蜜になることで成分が濃縮されるんじゃないかということもありそうです。
というわけで足の裏の匂いがした蜂蜜には何らかのイソ吉草酸を含む蜜源植物があるんじゃないかということが判明しました!
***
まとめ
今回はある意味奇跡が起きたことにより足裏の香りと蜂蜜の関係について調査しました。
分かったことは
-
匂いの原因は「イソ吉草酸」
-
ホップが酸化することでも発生する
-
蜂蜜から足臭の匂いがするのは蜜源にイソ吉草酸が含まれている可能性が高い
という結果でした!
次はこの匂いがする蜂蜜をミードにすると香りはどうなるのか検証したいと思います。ソバ蜂蜜のミードは蜂蜜と同じ香りがするので足臭ミードができるかもしれません。