できることなら全部国産のフルーツを使いたい。
そういう話をもう何度も、何年もしてきました。Antelope Slingというミードを定番で作っていたのですが、フィリピン産のパイナップルをずっと使っていました。価格、という一元的なものしか見ていない自分たちに辟易とする瞬間もありました。
そこで、去年からパイナップル農家さんを探していて、沖縄のHeyというハンバーガーショップから「久高さんという農家さんが素敵なんです」とお話をいただき、会いに行かせていただきました。
笑顔あふれる太陽のような方でした。
モノヅクリと、自分たちのパイナップルがどういうものかを懇切丁寧に教えてくれる素晴らしい方でした。
「パイナップルでやらせてください」
とお願いして、今季2回パイナップルのミードを仕込ませていただきました。
1つは既に仕込んで木樽の中に。
もう1つが今回のWakatu。
〈Okinawa→Yasu〉
ゆうすけが会いに行ってきてくれて、コメントをいただきました。
久高さんは坊主に髭を生やした方で穏やかな話し方。飲み物はブラックコーヒーと水でチーズケーキは全般大好きなお茶目な方でした。
前職はマッサージ師でしたが、農業には前から興味を持っており、おじいのやっていることを引き継いでパイナップル農家になったそう。
苗植えなど以外は基本1人で収穫、梱包、県内配送行っている。 パイナップルの苗が身をつけるまでに2年もかかるそうで、一度に一万本近い苗を植えて、8割収穫できたらいい方。
去年は豪雨で水捌けの悪い圃場(ほじょう)は根腐れが多くなってしまった。 後の問題は猪に新芽を食べられたり、カラスに実をつつかれたり 圃場を囲う柵と実を守る網は必須。
トラック一台分のパイナップルを収穫後お昼ご飯を食べに近所の食堂へ 食後のパイナップルフローズンは最高でした。
ここでも何も準備してなかったからと工場の皆さんへお土産をいただきました。 お家に戻り自分たちで食べる用の果物も見せてくださいました。バナナとシークァーサーはまた送ってくれるそうです。
〈Tasting Note〉
透き通った濃いめの黄金色。少し酢酸を感じるような複雑な香りの奥には熱したパイナップルのような完熟味。しっかりとした酸が骨格を作り、フィニッシュにキャンディーのような甘さがキュッとあがってくる。よく冷やしてもいいし、12℃でも面白い。
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スタイル:Melomel
ABV(アルコール度数):6%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: 国産蜂蜜、沖縄産パイナップルとシークワーサー
甘さ(10段階):3(Semi - Dry)
飲み頃温度:よく冷やして(4-8℃)
〈Mead making〉
ハチミツとパイナップルをまぜ、酵母を添加して発酵。発酵終盤にシークワーサーの果汁と皮を漬け込み香りを出す。澱引き後、清澄させて火入れ。ガス付けをして瓶詰め。