ポーとはpourのこと。つまり注ぐということ。
ブラッドオレンジを使ったミード『ミヤモト』を作ったのがちょうど2年前。 国内ではまだ馴染みのないブラッドオレンジの生産者さんを探して出会ったのが宮本さんでした。 ANTELOPEではブラッドオレンジの他にも河内晩柑、レモン、ネーブルオレンジといった柑橘を使わせていただきました。
宮本さんの作る柑橘はどれも「本物」。ラッパーがフェイクだとかいってるもののまさに逆。見た目の美しさもさることながら、ただ甘いだけではない味わいの深みがあります。
今回はそんな宮本さんとの出会いのきっかけにもなったブラッドオレンジのミードを再解釈して作りました。 実はブラッドオレンジには2種類あるんです。「モロ」と「タロッコ」。 タロッコは赤みが少ないけど、甘味と酸味のバランスがよくそのまま食べるのに向いている。
反対にモロは赤みが強く独特な香りがあり少し大人な印象。 最初の年は両方使っていたのですが、今回は色味がより赤く香り高い「モロ」を100%使用しました。
普通は長く貯蔵することで酸味が和らぎ甘みが強くなるのですが、あえて酸味をしっかり出すために時期の早いものを使わせていただきました。
今年とれたフレッシュなブラッドオレンジを表現できるようにイメージし、ワインのペティアンのように微発泡でナチュラルな味わいを目指しました。
愛情を注ぐ。情熱を注ぐ。時間を注ぐ。
たくさん注いで完成したのがポー。
宇和島のみかん畑から見えるあの景色のように天気がいい日はお外でピクニックに持っていくのもいい。
みんなで気持ちを注ぎ合うように、ぜひわいわいとやってください。
〈Tasting Note〉
ブラッドオレンジ「モロ」の香りと野生味のある香りがうまく溶け合い、ドライだけどしっかりボディと酸があってナチュラルでフレッシュな仕上がりになりました。 グリセロールを多く産生する酵母を使用し、ボディが強く残る設計に。同時にエステルも多く出たので少しアルコール感やインキーな印象も。ブラッドオレンジ由来の酸味がしっかり出てくれたのでフレッシュでカジュアルなミードになりました。
〈to be continued〉
実は12月にもう一種類ブラッドオレンジのミードをリリースする予定です。 ポーがフレッシュさをイメージしたミードだとすれば、もう一つは濃厚な奥深さをイメージしたミードです。 去年の宮本さんのブラッドオレンジを使用し、「蜂蜜と果汁のみ」で醸しました。 通常は蜂蜜を水で薄めて仕込むのですが、それを果汁だけを使って発酵させるというかなり尖った作りをしました。 約1年以上の樽熟成を経ており、間違いなくこれまでで一番奥深いミードができたと思っています。 ぜひ今回のポーとの対比をお楽しみください
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スタイル:Sparkling Melomel
ABV(アルコール度数):11%
炭酸:あり
内容量:750ml
原材料: ブラッドオレンジ(宇和島産)、純正蜂蜜
甘さ(10段階):2(Very Dry)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
ペアリング:ブラッククミンとブルーチーズのキャロットケーキ、トマトと昆布締め鯛のカルパッチョ