去年も摘んだ金木犀を今年も摘んだ。
正確には摘んだし、摘んでもいただいた。たくさんの人の協力があって今年も金木犀のミードを作ることに挑戦できました。
Le Dessin / ルデッサン
金木犀とみかんを使った甘酸っぱいミード。去年は酸を主体とした味わいの構成で金木犀とみかんは発酵の中後期に投入してフレッシュな匂いをそのままストレートに表現。
今年は金木犀を摘んだときからタンクに漬け込み、発酵とともに金木犀の香りを追ってみた。そして、合わせるみかんも貴重な貴重な宇和島の減農薬みかん。
残暑が長すぎたせいで減農薬農家のもとには溢れんばかりの虫が発生した。取り切れず、見た目も中身もだいぶダメージを受けたそう。そのなかで宮本農園さんが出せるものを寝る間も惜しんでご用意していただきました。
アルコール度数は前回同様に8%。
変わったことと言えば甘みの強さと後半に伸びてくる酸味。夏が長かった分、寒さを感じる度合いも大きい。この季節には甘いものを、と思いなるべく甘く調整をかけました。
〈夏⇒秋〉
長い夏、短い秋。
自分が子どものときはどうだったかなって思い返してみても、夏は長く、秋は短ったような気がする。でも大人になると秋の短さに寂しさが混ざってくるのでしょうか。
こんなに美しく、美味しい季節が短いなんて殺生だ。
僕達は季節をボトルに詰めるのが仕事。
アルコールになり、ヴィンテージがつき、この年の感動や激動をボトルに詰め世代に伝えていく。あるいは伝えてくれる大切なお客さまを増やしていく。
今年の金木犀は力強く、みかんは過酷な環境の中でも柔らかさと真の優しさを伝えてくれる産物でした。
〈Tasting Note〉
度数は8%。甘みの強いフィニッシュに上がってくる酸味。金木犀、紅茶、蜂蜜の香りの順番に抜けていき、温度が上がってくるとみかんの弾けるような酸味と香りがあがってくる。クッキーと一緒でも、お風呂上がりのアイスクリームと一緒でも。
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スタイル:Speciality
ABV(アルコール度数):8%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: 蜂蜜(ミャンマー産)、みかん(宇和島産)、金木犀
甘さ(10段階):7(Dry)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
ペアリング:スパイスの効いたエビも良い、クッキー、アイスクリームも。
〈Mead making〉
摘みたての金木犀の花を蜂蜜と一緒に発酵。2週間弱の漬け込みを経て、絞ったみかんを投入。熟成して、火入れ。ガス付けを3日間してボトリング。
〈Label〉
金木犀の香りのなか、転がるみかんを描きました。みかんの香りを表現しています。昨年よりもベースの色は黄色く、アクセントの緑はみかんの葉の色にしました。今年も金木犀の季節がやってきました。秋の風とともにやってくるあの香り。時間が経っても、またここに帰ってこよう。ただいま!みかんある?って。