しっかり低温熟成をさせたミードと和歌山県の金柑をバレルで貯酒した金柑祇王の紹介です。
〈Wakayama→Factory〉
小粒で香り高く、甘酸っぱさとほろ苦さが残る金柑。小さい頃におばあちゃんの家で食べた思い出はあるが、大人になると食べる機会にあまり出会わない。和歌山で梅や金柑を丹精込めて作っておられる紀州みなべの松川農園さん。ぷっくりと膨らんだ金色のフルーツは柚子とも違う爽やかな香りと主張の強いしっかりとした酸味が特徴的。
古くから蜂蜜に漬けて利用されてきた金柑。僕たちらしくミードに漬けてみることにしました。お庭や公園にお気に入りの椅子を並べて、金柑祇王と一緒のピクニックもとってもグッド。
〈Tasiting Note〉
色調は透き通ったゴールド。金柑の蜂蜜漬け、干しイチジク、アールグレイ様の優雅なフレーバーと金柑の渋み、滑らかな酸が好印象。残糖は少し多いが垂れない。まだお腹がすいてないときから軽いアテと一緒に飲むのにちょうどいい。ピンクペッパーやコリアンダーシード、ディルなどのスパイスをちょっと効かせたフムスやタコのマリネなどと合わせたい。
蜂蜜:ミャンマー産蜂蜜
フルーツ:金柑(和歌山)
発酵:6ヶ月間ステンレスタンクで熟成したミードに、圧搾した金柑を白ワイン樽の中でミードと共に1ヶ月浸漬。その後ステンレスタンクで再度1ヶ月の熟成。
アルコール: 12%
〈Mead making〉
低温でじっくりと熟成を取る「Giou -祇王」はずっと作っているレシピで、なにか新しい変化を効かせてみたいなと始まったのが金柑祇王。蜂蜜本来のほろ苦さが金柑の渋みと似ていることもあり、両者の良いところが全面に出てくれる作りを目指しました。
タンクの中で長い熟成をかけたミードに合わせる金柑は、オレンジワインで感じるような渋みを出せるように樽の中でしっかりと浸漬させました。取り出した金柑を再度圧搾して、より複雑なニュアンスを含む果汁を再投入。再度始まった発酵由来のバターらしさが少し残っているけど、金柑の香りとよくマッチしています。時間とともに味わいの変化を楽しんでみたい1本。冷やしても、常温でも楽しめます。常温で飲むならブルゴーニュ型のグラスがおすすめ。