Brewer's Note 〈Hive Mind〉

feat. Yusuke Sakabe

野洲の工場を出て、交差点を右に曲がって歩くこと数分。懐かしい気持ちでいっぱいになる駄菓子屋さんが左手に見えます。その数歩バックした場所に、懐かしいという気持ちを通り越した「ヤバくない?」という感情で満たされる自販機がありました。

茶色のビール瓶に、この大きな自販機をあしらったミードができました。

ベースとなる蜂蜜はミャンマー産。そこに長野県の山下フルーツファームさんのリンゴ果汁、ルイボスティー。少しだけスパイスを加えて発酵させました。

低アルコールながらも満足感を感じてもらえるように低温で長期間の発酵と熟成を取りました。滑らかな口当たりに乳酸と少しの酢酸、蜂蜜の甘み。瓶の中でも少し熟成を取ってからのリリースです。

最初から最後まで一緒に取り組んだYusukeさんと、仕込み当日手伝ってくれたみなさんと一緒に見た景色。

駄菓子屋さんで各々がどれにしようかなと選ぶ時間。人生の1ページにはこうした遊びの一瞬が大事だったりするのかもしれない。

ミードの名前は「Hive Mind」。
Hiveは蜂の巣だったり、蜂の群そのものを示したりする。共通認識が群衆の中にあり、統治されている状態はミツバチを見ているととても良くわかる。



〈Who's Yusuke Sakabe〉

千葉県生まれ。バーテンダーを志し、武者修行のため単身海外へ。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドを中心に数々のバー、レストラン勤務を経て、海外のバーテンディングの経験を積む。ニュージーランド・Clooneyにてバーマネージャーとして、3ハット獲得に貢献。京都東山のレストラン・LURRA°のオーナー/ミクソロジストとして、ミシュラン一つ星を獲得。現在、フリーランスのバーテンダーとして活動中。

Born in Chiba, Japan. While spending his time in USA, Australia and New Zealand, he began to hone his skills as a talented bartender. Before moving back to Japan after 10 years abroad, he took on the role of Bar Manager at "Clooney" and was awarded the coveted "3 Hats" recognition. Recently he was the owner/mixologist at a one Michelin star restaurant in Higashiyama, Kyoto, called LURRA°. Currently he is active as a freelance bartender on the world stage.

出会いは京都。
クリエティブデザイナーのKazuki Fujimoto氏にご紹介していただきミードのことや発酵のおもしろさについて語り合ったのももう何年も前。昨年の冬に仕込みをはじめ、9ヶ月以上熟成を通してのファーストロット。


〈Tasting Note〉
ルイボスティー特有の香りにりんごや酢酸を少し感じる香り。透き通ったリンゴ果汁のような見た目に軽い炭酸。きゅっとなる酸味を包み込むような蜂蜜とリンゴの優しい甘み。余韻の長さはスパイスと発酵由来の香り。

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スタイル:Speciality
ABV(アルコール度数):6%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: リンゴ、蜂蜜、ルイボスティー、スパイス
甘さ(10段階):4 (Sweet)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
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〈Mead making〉
水出ししたルイボスティーと煮沸して出したルイボスティーを混ぜ込んだ濃いめのお茶にリンゴ果汁、蜂蜜、そして少しのスパイスを一緒に混ぜて発酵させました。長期の冷蔵熟成を通しながらゆっくり進めていきました。