Brewer's Note〈Pluck〉

毎年、ANTELOPEの周年祭で音楽を奏でてくれる集団がいる。
Oyaji Good Vibrationsだ。

京都で活動する素敵な親父。そして、その中のひとりで以前山梨に住んでいたことのある奥田さん。

「山梨の農家で、本当に頑張っている子がいて。何か一緒にできないかな?」

頑張っているとかいないとか関係ない、
ってよく社会で言われるけど、努力は自分自身で決めていいと思っている谷澤。
とりあえず信用できる奥田さんが初めて紹介してくれたのだから会ってみたい。

と思って連絡したら、なんと山梨から来てくれた。

それが「Nice grapes」大間さん。なんと僕と同い年だ。



大間さんが書いてくれた紹介文をとりあえず貼ります。それが今回のミードの理由。

〈Who's Oma, Nice grapes〉

1994年生まれ。山梨県で生まれ、小さな頃からブドウ栽培を見ていた大間さん。今年の栽培について教えてもらいました。

■ 今年の収穫について

今年はとにかく、雨が少ない
雨が少ないおかげで病気はとにかく少なかった
土壌の水分量に苦労した年でした
今回ミードの材料として収穫したシャインマスカットの木は、今年初めて借りた畑に植えてあったもの(前の園主が植えた苗 おそらく5年生くらい)
手入れが少なかったのか、
少し樹勢が低下気味
生食用葡萄の完成系までもっていくのが難しいと判断して
ミードの材料用に収穫しようと決めました
シャインマスカットは糖度18度が
市場への出荷基準です。
ですが、18度になった房は香りや酸味は
飛んでしまう傾向があると思っています。
(ただ甘いだけ)
なのでマスカットの香りや酸味を残したいと思い、あえて完熟期前に収穫しました。

■ 栽培について

栽培していて常に意識していることは、
手入れ作業や除草作業は、適期にやる!
を意識して栽培しています。

葡萄作りは、一見自然に任せてできているように見えて
かなりの人の手が入っています。
色々な作業工程がある中で、葉っぱの枚数や地温など色々な指標があります。
ただここ数年の異常気象で、作業工程が反対になったり一気にまとまったりと
教科書通りにはいかなくなってきています。
その年その年の環境変化に柔軟に対応することが求められています。
僕は、葡萄だけを見るのではなく
葡萄の周りの環境を見るように意識しています。
足元の草 立木類の生育 虫達 鳥の声

気候は毎年変化していますが、植物の生育過程はそんなに大きくは変わらないです。

この花が咲き出した頃に、葡萄のこの作業をしていたな、と思い出して

一つの判断材料にしています。

適期に作業をする事で、無駄な消毒を減らすこともできますし
省力化にもなります。
何より高品質な葡萄を作る一番の近道だと思っています。

■ ミードを飲む人たちへ

シャインマスカットがもっと身近な存在になってくれたら嬉しいです!
そのまま食べるてももちろん美味しいですが
料理に使ったり、お酒になったりと
シャインマスカットの新しい可能性を見つけてもらえたらと思います。

〈Tasting Note〉

シャインマスカットの青い果実味が優しく香ります。魚料理を美味しく食べれて、それでいてワインとも違ったバランス。ドライ目なフィニッシュ。入口には少しヨーグルトのような様相もある。

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スタイル:Pyment

ABV(アルコール度数):8%

炭酸:あり

内容量:500ml

原材料: 蜂蜜、シャインマスカット

甘さ(10段階):3(Semi-Dry)

飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)

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〈Mead making〉

房から1粒ずつシャインマスカットを摘み(Pluckして)、ミキサーにかけて蜂蜜と混ぜ込み。使用した酵母はフィリーサワーとW15。厚みが出ながらも酸味をしっかり出してくれるといいなと願って仕込み。発酵終了前に少量のシャインマスカットと枝を一緒に漬け込み熟成。加熱処理して瓶詰め。