角打ちで広がるミードの輪 vol.1 - “新潟 長谷川屋” in 新潟

角打ちでミードを提供してくださっている酒屋さんを紹介する企画、「角打ちで広がるミードの輪」。

記念すべき第1回目は、ANTELOPE初期の頃からの長いお付き合いのお店、新潟県の「長谷川屋」さんの2店舗目「長谷川屋 新潟店」です。

@hasegawaya.niigata

新潟といえば日本酒の街。その玄関口である駅前に、意外にもゆっくりと酒を楽しめる場所が少ないことに気づいた長谷川さん。

「新潟駅に降り立ったら、すぐに酒が楽しめる街であってほしい」

そんな思いを胸に、本店のある西蒲区から駅前という新天地に挑戦を決意。4代目として受け継いだ目利きの確かさと、新しい価値を生み出そうとする意欲が、独自の空間を作り出しています。

 

1. History - これまでの歩み

店主の長谷川陽路さんは、長谷川屋の次男として1990年に誕生。大学卒業後は千葉県の酒販店にて3年間の修行を重ね、ソムリエの資格も取得されました。

「最初からお酒が特別好きだったわけではありません」と意外な告白が。造り手との出会いを重ねるうちに「そこまでこだわるのか」「こんな意図があるのか」と、お酒の世界の奥深さに惹かれていったといいます。


ANTELOPEとの出会いは2021年10月。そこからご縁が始まり、2024年の2号店オープンを記念して醸造された「Jumeaux」は、長谷川さんの好きな「The Last Supper」のニュアンスを意識した特別なミード。

阿部農園さん

地元・阿部農園のカリンとル・レクチェを使用した、新潟ならではの一本です。これを機に、阿部農園さんとのご縁も広がりました。感謝。


2. Values - 長谷川さんの思い

「生産者さんとお客さんを繋ぐ場所でありたい」

その想いを形にするのが、新潟 長谷川屋。世の中においしいお酒は無限にあります。その中でも長谷川さんは、生産者の思いや1本のお酒ができるまでの背景を丁寧に説明することこそが、酒屋を続ける理由だと言います。そのきっかけとして、まずは角打ちで気軽にお酒に触れていただき、より深い魅力が伝われば嬉しい、そう長谷川さんは話します

その一方で、食や音楽などをミックスしたイベントを月に約2回のペースで開催。

8月の夏祭りではANTELOPEも参加し、京都の「TAREL」さんのナチュラルワイン、新潟出身の「ESTRE」ずんさん、エスニック料理人「cam」さんとのコラボレーションを実現。様々なカルチャーとの融合を通じて、新しい化学反応を起こしているイベント。今後も見逃せません。check。



3. Experience - 新潟 長谷川屋での体験

20席程度の落ち着いた角打ちスペースには、仕事帰りに1人でふらりと立ち寄る方から、仲間と楽しむグループまで、様々な方が訪れます。長谷川さんのチョイスを信頼している日本酒好き・ワイン好きのお客様は、新潟にとどまらず関東圏や静岡からも。

「ミードって何ですか?」

この質問は毎日のように聞かれるそう。

「初めは一生懸命説明していたんです。でも角打ちの良さって、まさにその場で飲んで確かめられること。『百聞は一飲に如かず』ですね」と長谷川さん。
まずは一口飲んでいただくことで伝わるものがある。まさに角打ちの醍醐味です。

常時2種類のミードをメニューに揃え、日本酒やワインと並ぶ飲み比べセットの選択肢としても提供。一杯700円から、気になるお酒を気軽に試せます。

最近のミードの人気は、にんじんとクミンのミード「Glacé 」と紅茶のミード「蜂蜜茶醸酒」。一度飲んだお客様が誰かを連れてきて「ミードって面白いお酒があるから」と紹介してくれる新しい潮流も生まれ、ミード目当ての来店も増えてきているとか。

「新しいものへの探究心がある人」が興味を持ってくれる傾向にあり、20~30代の方を中心に、特に女性からの支持が高いそうです。


4. Future Plan - 今後について

「これからもいろんな課題を解決していきたい。でもまずは日々楽しく、ただ楽しく酒を売っていきたいと思います。計画するのが苦手なんです」と長谷川さん。

ただ、「やってみたい!」と思ったことは周囲の人に伝えることが多いそう。

その熱い眼差しに心を打たれた周りの人たちが自然と集まり、さらに長谷川さん自身も日々を楽しみながら目の前のことに向き合う。そんな姿勢が、2号店のオープンという新たな挑戦につながったのでしょう。


5. Editor's Note - 取材を終えて

取材を通じて印象的だったのは、「自然体の行動力」です。具体的な計画を立てるのは苦手だと言いながら、常に想いを発信し、行動に移す。その姿勢が、周囲の支援を自然と引き寄せ、新しい可能性を生み出しているように見えました。

また「課題はたくさんある」とおっしゃっていたのも印象的でした。課題を感じる、ということは真剣に目の前のことに向き合っている証。そんな熱いハートに周りの人も魅了されるのでしょう。

日本酒の聖地として知られる新潟で、次の時代の酒文化を育てようとする挑戦。その物語は、まだ始まったばかりです。毎回新しい発見がある。そんな期待を抱かせてくれる場所として、長谷川屋の明日が楽しみでなりません。


■Store Information

〈新潟・長谷川屋〉

  • 住所:〒950-0901 新潟県新潟市中央区弁天3丁目3−5 松栄ビル新潟マンション 102(Google Map: https://maps.app.goo.gl/itMAzKyuwJVdxj56A
  • 営業時間:12:00~20:00
  • 定休日:火曜日

※イベント情報や詳しい営業時間は、Instagramでご確認ください

これからも少しずつ、他の酒屋さんも紹介していきます。
次はどのお店を紹介しようかな🚶