2年越しに桃を使ったミードを作りました。
新潟は阿部農園さんの桃〈なつっこ〉と滋賀産の2種類のフレッシュなタイムを使って晩夏を彩るミードです。タイムは井入農園さんが育てるイブキジャコウソウと、ジャスミンタイム。桃の香りを伸ばすハーブの組み合わせはNOMURA SHOTENのソランさんに組み立ててもらいました。
ミクソロジーが流行する世の中でミードでも刺激的かつ科学的な美味しさを目指した作品です。日本にいるなら、四季が味わえるなら、それらごとに考え抜いた作品を作り続けていきたいなと思って季節の名前をつけました。
〈新潟⇔野洲⇔東京〉
野洲から新潟までは車で7時間以上かかる。長谷川屋さんでのアツいイベント、阿部農園さんの訪問という予定なら全然苦じゃない。むしろ食い気味に行かせてください、の精神である。
一見長い長い旅に感じるが、車の運転中は意外と仕事のことを無心に考えられるので嫌いじゃない。とはいってももちろん7時間よりは3時間のほうがいいのはそうなのですが🚗
最終日に阿部さんのホスピタリティ溢れるおもてなしを受けたときは、全てが報われたような気持ちになります。桃だけじゃなく、梨も有名なことを教えてくれた阿部さん。新潟という土地で農業が育ってきた意味や、自分たちにとってのナチュラルとは何か、という大きな議題も考える阿部さん。
そんな阿部さんが作った桃。
1シーズンを通して一番早く収穫できた少し固めで香りの強いものから、晩の柔らかくて円熟味を帯びた桃まで1つのタンクに詰め込みました。
日本の晩夏が詰まった作品です。
それに合わせたのはハーブ。NOMURA SHOTENのソランさんとは東京のイベントでご挨拶させていただき、そのあとには滋賀の工場まで寄ってもらいハーブのレシピ作成を現地でしていただきました。
出てきた組み合わせは、タイム×シナモン。
自分たちでは出せない組み合わせ。理屈と経験の裏打ちがあるソランさんだから出せる技。楽しい。Meadology、感じる。
〈Tasting Note〉
度数は8%、桃のとろみを少し感じる黄色の液体。タイムのハーバルでスパイシーな香りの裏から桃や梅のような香りが追いかけてきます。甘みをつけて、シナモンで少し支えてあげて。一体感ある造りを目指しました。シュワッとさせてます。
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スタイル:Speciality Mead
ABV(アルコール度数): 8%
炭酸:あり
内容量:500ml
原材料: 蜂蜜(ミャンマー産)、桃(新潟、阿部農園)、タイム、シナモン
甘さ(10段階):6(Semi-sweet)
飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)
ペアリング:鶏肉のグリル、ラムチョップ、レアチーズケーキ
〈Mead making〉
桃は阿部農園さんから送られてくる度にタンクに重ねて投入。タイムは発酵後期に冷温で浸漬。蜂蜜を少しだけ後から足して、火入れ。ガスをつけてボトリング。
〈Naming〉
Mixololgyという言葉をバーで聞くことが増えた。僕たちも科学を使い、ミードを作っているんだから同じ気持ちでモノづくりをしてみようと。できたのが、Meadology。
ラベルはNari作。
「とてもシンプルだけど、貼ってみたらパキッとして可愛い。ハーブ(緑)と桃の(ピンク)。月(黄色)をあわせました。ポップで前向きな感じが気に入る」