リンゴを使ったミード/サイザー「Apple in Shock '23」の紹介です。
こちらは大阪南船場にある「THE MUSEN IN SHOCK」の周年をお祝いしたミード。
〈Yasu→Nagano〉
長野県上水内郡にある山下フルーツ農園さんのリンゴを今年も使わせていただきました。2022年度のApple in Shockの仕込み時にもリンゴの風合いや酸味、いろんなことを相談させていただきメイポールとブラムリーを使わせてもらいました。今年も同じ組み合わせ。去年と違う点は自分たちの手で摘んできたかどうか。
姫リンゴは元々受粉用として育ててあるらしく、あまり使われないらしい。高さ3mほどまで成長した姫リンゴを100kg取ると決め、一人でせっせと8月末に摘んできました。自分で摘んだから偉い、なんて1mmも思ってなくて、もちろん自分で摘んだから美味しくなるわけでもないのですが、気持ちの入り方はやっぱり違うというか。
五感で素材を感じ、雰囲気を活かしながら仕込みを続ける意識を持てるかどうかは最終製品に差が出てくると思うのです。だからこそ可能な限り、自分たちの足で素材を見に行く努力はしていきたいものです。
〈Tasting Note〉
リンゴのフレッシュな香りはありつつ、発酵由来の複雑なニュアンスも多い。トップノートに仄かに現れる梅のような香りはジャスミン由来。リンゴの酸がしっかりとあり、ドライさも感じやすい。幅広い料理とのペアリングが期待できます。
蜂蜜:ミャンマー産蜂蜜
フルーツ&ハーブ:メイポール、ブラムリー、ジャスミン
発酵:主発酵後期に、リンゴとジャスミンを投入し、熟成させた後に火入れ。
アルコール: 10%
pH: 3.38
残糖: 35.0g/L
内容量:500ml
THE MUSEN IN SHOCKにはお酒が進むアテがたくさん。どんな料理とも合わせやすいように気取らず飲みやすさを追いました。11月1日が周年です。お近くの方はぜひお祝いにどうぞです!
〈Mead making〉
今年のリンゴは火を入れずに使うことにしました。メイポールやブラムリーが持つ酸をそのまま活かす作りをしたかったのと、山下フルーツ農園さんの熱を入れなくても十分感じるフレッシュな香りをダイレクトに伝えたかったのとで、コールドサイドでの使用を試みました。
リンゴ由来の酸が骨格をはっきり作ってくれたので、リンゴ、リンゴしすぎないようにジャスミンで少し膨らみをつけてみようと思いました。
少し濁った色味をしています。瓶底に溜まってくると思いますが、ミードの澱はワインに比べて嫌味が少ない印象なのであまり神経質にならなくてもいいのかな、なんて個人的に思っています。