Brewer's Note 〈Bodaiju〉

ミードは蜂蜜によって大きく味が変わるのか、と言われると理屈の世界では「あまり変わらない」のでは?という説があります。

百花蜜と単花蜜を比べてみると香り成分は全体の8%ほどしか変わらないようです。この8%が大きく、生食したときに色んな味わいを楽しめます。しかし、これらの8%はおおよそが揮発性が高く、ミードの醸造においては発酵で生じる二酸化炭素とともに外に逃げていってしまうのではないか?という説もあります。

僕達は菩提樹の蜂蜜が大好きです。そのまま食べたときにいつも「一番美味しい」と感じるからですが、今回はその蜂蜜のみを使用したミードの醸造に踏み切ってみました。

結論として、「全然味が違う」のは一目瞭然でした。
美味しい長野の蜂蜜を使用させていただいたこともあると思うのですが、きっと論文のデータから大きくハズレた香り成分があったのかなあとか。

ホームセンターの木材コーナーのような香りから、表現するのが難しいくらいのクリーンで爽やかな抜け感があります。ドライにしあげてみましたので、ワインのように楽しんでいただけたら幸いです✍️


〈東京→長野→ANTELOPE〉



今回使用した菩提樹の蜂蜜は、東京の「山とハチミツ」の田中さんにご紹介いただいた蜂蜜でした。

お取引ももう2年以上になるのかな、田中さんにお店にいったときから菩提樹の蜂蜜が好きだったので買って帰りました。やっぱり美味しいなあと思っていたら、もしよかったら使ってみませんか?とのことで。

できた!!
もともと香りの強い蜂蜜から、どれくらい香りの強いミードができるかなと思っていたので楽しみでした。熟成させる前はちょっとえぐくて、大丈夫かなあと思っていたのですがさすが。ポテンシャルの高い蜂蜜だったようで、素晴らしい仕上がりに。


〈Tasting Note〉
度数は12%。ウッディーでハーバル、ヒノキや青りんごのような香りもしっかり立ち上がります。無濾過でも長期熟成による透き通った液体の色が美しい。ドライですがボディーが薄い印象はなく、包まれる余韻の長さが素晴らしい。

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スタイル:Traditional Barrel Aged Mead
ABV(アルコール度数):12%
炭酸:なし
内容量:500ml
原材料: 菩提樹蜂蜜(長野県産)
甘さ(10段階):3(Semi-dry)
飲み頃温度:セラー(8-12℃)
ペアリング:レモンを使ったクリームパスタ、あとは分かりません寧ろ教えてほしいです(本当に初めての香りすぎて正解がわからないので教えて下さい)

〈Mead making〉
菩提樹の蜂蜜と水を混ぜて酵母添加。主発酵が終わり次第、白ワイン樽で熟成。味わいのピークと判断したところで瓶詰め。


〈Label〉
菩提樹の蜂蜜ということで、菩提樹のイメージを。ラベルカラーは山をイメージして。香りともぴったりの色合い。