Good Morning! オーストラリアの滞在も今週で3週目。
初代のブドウ「セミヨン」からスタートし、オーストラリアで最も有名な「シラーズ」について触れてきましたが、白ワインをまだ飲んでいなかったので、今週もオーストラリアにステイすることにしました。
偶然の出会いから生まれた飲み比べ
白ブドウの代表格「シャルドネ」を探してワインショップに向かったところ、赤ワインが並ぶ棚にポツンと一本のシャルドネを発見。「これに決めた!」と思った瞬間、店員さんが「他の白ワインも一本だけあったような」と言って棚をガサゴソ。
そこで出てきたのが「ヤンガラ・エステート・ヴィンヤード」の白ワイン。南オーストラリアのワイナリーが作る5種類のブドウのブレンド。クロスワードのような遊び心あるエチケットに惹かれて購入しました。
それから数日後、よく行くコンビニで別のオーストラリア産シャルドネに出会います。すれ違い続けた初恋の相手に会ったような運命を感じて、こちらも購入。
ただ私にはもう1つの好奇心が。「ヤンガラ・エステート・ヴィンヤード」の白ワインは4,400円、一方「ピーツピュア」の白ワインは1,188円。この価格差はいったいどこから生まれてくるんだろうか?単一品種と複数品種ブレンドってどんな味わいの違いがあるんだろう?実際に味わいの違いが自分にはわかるんだろうか?そんな好奇心が沸いたことも飲み比べをした要因でした。
今回はまずそれぞれのワインの紹介と、テイスティングレポートを公開。次週以降、それぞれのワインの価格差の要因の深堀りをしていきたいと思います。
■今週のテイスティングレポート①
シャルドネ2024 | ピーツ・ピュア
ニューサウスウェールズ州の小さな町「ユーストン」から生まれた「ピーツ・ピュア」は、2015年にエド・ピーター氏とピーター・カイト氏という2人の友人たちによって設立。2人の名前に共通する「ピーター」から名付けられたこのワイナリーは、「大地を愛し、畑仕事には手を抜かない」という信念を掲げています。
この地域は晴天が続く気候と赤土の土壌が特徴で、ブドウがストレスなく成熟し、クリーンでフレッシュな風味を持つワインを生み出すとされています。実際はどうでしょうか?
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・外観:澄んでいて落ち着いた印象。薄いレモンイエローで粘性はなくさらっとしている。
・香り:濃縮感、力強さを感じる。まるで濃縮還元された濃い目のリンゴジュースのような香り。若干トースト香が奥に潜んでいるのと、蜂蜜っぽさ、華やかさのある香り。
・味わい:口に含んだ時のインパクトがあり、残糖を感じる。飲み比べると余計に甘さが引き立つ。余韻には酸味が残るので、甘さを引きずることなく楽しめるのが良い。比重は0.994。音で例えると、温かみのある中低音めなギターの音色をイメージさせられる。
アルコール感は強くもなく弱くもなくちょうど良い。甘みが楽しいので、私はペアリングするというよりかはこのワインの味わいを楽しみたい気分。晩酌に◎
・価格:1,100円(税込)/750ml
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ユーストンは比較的温暖な気候に分類されるようで、冷涼な気候の特徴であるシャープな酸味は確かに感じませんでした。ただ香りはトロピカルフルーツというよりは、冷涼な気候の特徴であるリンゴの香りを感じた不思議。
2024の正確なビンテージ情報は掴めませんでしたが、「早い時期に収穫した」という情報はゲット。オーストラリアでは近年温暖化の影響で、夏に近づくほどブドウが急速に熟してしまう傾向に。そのためまだ温度が上がりきってない状態でピックしたので、冷涼な気候の特徴が出たのでしょうか。
またクリーンでフレッシュな風味、と書かれていましたが個人的には熟した風味を感じました。
■今週のテイスティングレポート②
YANGARRA BLANC(ヤンガラ ブラン)2021 | YANGARRA ESTATE VINEYARD(ヤンガラ・エステート・ヴィンヤード)
オーストラリアを代表するワイン産地の一つ、南オーストラリア州・マクラーレン・ヴェイルの中でも特に美しい場所である「ブルーエット・スプリングス」という場所に位置します。
多様性に富んだ土壌、高い標高と海からの風がブドウの均一でバランスの取れた成長を促している場所。ヤンガラでは、ひとつの区画/畑から採れたブドウのみを使って醸造(シングルヴィンヤード)していて、その土地の個性を最大限に表現することを大事にしています。
このワイナリーの特徴は、1946年に植えられたブッシュヴァイン(低木仕立て)のグルナッシュが現在も使用されていること。「世界有数のグルナッシュ産地」としても注目されています。(グルナッシュを飲めよという話なのですが、たまたま出会ったので別の機会のお楽しみに🍷)
今回はそんなグルナッシュの突然変異種「グルナッシュ・ブラン」というブドウが半分ほど使われているワイン「YANGARRA BLANC(ヤンガラ ブラン)2021」。それ以外は、ルーサンヌ、ピクプール、クレレット、ブールブーランという白ブドウ品種がブレンドされています。これらの白ブドウ品種は、南ローヌ地方由来。気候条件が似ていること、過去の成功からヤンガラで主に生産されています。
実はこの“南ローヌスタイル”のブレンドは、近年オーストラリアの一部ワイナリーで注目されているアプローチなよう。先述した温暖化の影響下でも複雑味や酸味のバランスを取りやすく、それぞれの品種の個性を活かしながらも調和した味わいを作れるのが魅力なんだとか。
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・外観:こちらも澄んでいるが、シャルドネより若干深みのあるレモンイエローで輝きも感じる。同じく粘性は感じずさらっとしている。
・香り:どちらかというと控えめで、キュッとまとまっている感じ。フレッシュですっきりとした印象で、草っぽさ、白胡椒っぽさ、青リンゴのニュアンスを感じる。
・味わい:ドライでソフトな口当たり。スルッと飲みやすいけれど、喉の中でぐわっと風味が広がる。口の中には複雑な感じが残り、喉には苦みが鎮座する。口でも喉でも2度味わえる面白さ。比重は0.990。音で例えると高音のピアノ、ちょっと歪んだギターのような音のようなイメージ。
塩味も残るので、フライドポテトとかバターのきいた白身魚のムニエルと相性が良さそう。シャルドネと飲み比べてて飽きなかったので、フルーツタルトのような果実感のあるケーキとも良さそう◎
・価格:4,400円(税込)/750ml
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*クイズ
テイスティングレポートの外観を踏まえると、左右どちらが「YANGARRA BLANC(ヤンガラ ブラン)2021」でしょうか?(正解は余談の後に)
*余談
今回ブラインドテイスティングをしてみたら、同じワインを渡されていたのに真剣にそれぞれの味わいの違いについて語った私。確かに似てるな、と思ったものの2種類のワインを飲み比べているという先入観に囚われて、真剣に違いを探してしまいました。
最近読んだ本に「結果ありきの思考が、視野を狭める」と書かれていたのですが、まさにそれ。
結果ありきではなくフラットにものごとを捉えられるようになるにはまだまだ道のりは長そうです👵
*クイズの答え
正解は右でした!シャルドネより若干深みのあるレモンイエロー色になっているかと思います。(別の色やろ、って思った人はこっそり教えてください)