国産はちみつへ。

ANTELOPEの、これからについて。


ANTELOPEは2026年より、国内向けミードの製造に使用するはちみつを、全量国産に切り替えることを決めました。

これは単なる原材料の変更ではありません。わたしたちにとって、ブランドの第二章の始まりです。


なぜ、ミャンマー産のはちみつを使っていたのか

創業から5年間、ANTELOPEのミードの軸にあったのはミャンマー産のはちみつでした。

理由は3つあります。

ひとつは、独特の苦み。はちみつにはHMF(ヒドロキシメチルフルフラール)という苦み成分が含まれています。ミャンマー産のはちみつはこの数値が高く、実際に舐めるとほのかな苦みがある。ビールの世界にいたわたしたちにとって、「甘いだけでない素材」というのは大切な要件でした。

ふたつめは、価格。ミードという文化がまだ日本に根付いていない中で、国産はちみつを使うと原価が大幅に上がります。飲んだこともないお酒を、高い価格で手に取ってもらうのは難しい。まずミードの価値を知ってもらうために、できるだけ手の届く価格で始めたかった。

みっつめは、安定への信頼。ミャンマーははちみつの一大産地です。取引先のはちみつは品質が安定していて、ミードの表現に集中できる素材でした。

これらが重なって、ミャンマー産のはちみつは5年間、わたしたちのミードを支えてきました。


転換点は、突然やってきた

もともと2028年を目処に国産はちみつへの切り替えを検討していました。ただ、計画通りには進みませんでした。

2025年11月、ミャンマーの情勢悪化により、はちみつの輸入が停止しました。

選択肢は2つありました。別の海外産はちみつに切り替えるか、国産へ切り替えるか。

ただ、別の海外産に変えても同じリスクがある。そして何より、「日本の農産業をミードで発信する」と言いながら、主原料は外国産です、では話の筋が通らないじゃないかと。どこか心の片隅に引っかかっていました。

それならば、今やる。予定より早く、国産に全量切り替えることを決めました。


正直、怖いこともある

仕入れ値は大きく上がります。商品の価格も変わります。これまでの定番商品は、国産はちみつに切り替えることで味も変わるため、同じ名前では続けません。商品のポートフォリオ全体が、改めてゼロから組まれることになります。

「僕たちだけじゃなく、日本のモノヅクリ全体に光が差し込んだときに、その光をぎゅっと抱きしめてあげられる準備を」と言葉にしながら、正直なところ顔が引きつっている瞬間もあります。

それでも、価値を見つけてしまったし、この可能性を誰かが声を大きくして伝えていかなくてはいけなくて。僕たち、ANTELOPEの進むべき方向だと確信しています。


国産はちみつに、発酵の可能性を感じている

切り替えの理由は、リスク回避だけではありません。

日本は高温多湿の環境です。養蜂産業としては決して楽な環境ではありませんが、この気候条件が、はちみつに独自の可能性をもたらすことがわかってきました。

高温多湿の環境でははちみつの水分量が増えやすく、はちみつ自体が自然発酵することがあります。その過程で、フェニルエチルアルコールなどの香り成分が生まれる可能性があります。

これは湿度の低く、いわゆる養蜂に向いている穏やかな気候のはちみつではなかなか出づらい、ハードな国産はちみつならではの方向性です(京都産業大学、2024年の研究でも確認されています)。

日本のはちみつは、ハンディを背負いながらも、他にない表現を持っている。そこに本気で賭けてみたいと思っています。


最初の一歩は、塩見さんのはちみつから

切り替え後、最初のプロダクトに使うはちみつは、信頼する養蜂家・塩見さんのはちみつです。

塩見さんをはじめ、ANTELOPEがこれから一緒に歩んでいく養蜂家の方々については、別のページで順次ご紹介していきます。


第二章へ

2026年からは、ゆっくりと国産はちみつのミードに移行していく年になります。まだミャンマー産のはちみつを使って仕込んでいた商品(主にエイジング系)もリリースを控えています。急に全てが変わるわけではありません。

でも確実に、ANTELOPEの第二章は始まっています。

蛹の期間は、羽ばたくための準備です。

どうか、これからのANTELOPEも、温かく見守っていただけると嬉しいです。

▶︎ 新しい定番を作るための「SANAGIシリーズ」


この切り替えについて、代表・谷澤が約30分の動画で詳しく話しています。
これまでのANTELOPE、これからのANTELOPE——ぜひご覧ください。

▶︎ 動画を見る(YouTube)


2026/01 ANTELOPE 代表 谷澤