〈Brewer's Note 〉Mexican Marigold

メキシカンマリーゴールドの新芽と竜王町の和梨を使用したミード「Mexican Marigold」の紹介です。

〈Yasu→Kohoku〉

琵琶湖の北岸から広がる湖北の地に生まれたレストラン「SOWER」との初コラボミード。SOWERが所有する庭には多くの植物が自生している。その植物を利用してミードを作れないかとのことで、今年の8月にチームでSOWERに訪れました。

〈SOWER=種を撒く人〉は種を撒き、土を耕し、四季折々に移ろう自然の力を借りながら、あすの食べ物を作るように、食に根づいたさまざまな種をこの地に撒きたいと思っています。

SOWERにはとても強い信念があり、実際に庭を見るとSOWERが掲げる「種を撒き、自然と協力する」ことの大切さが身にしみる。琵琶湖に流れる小川の周りには、しなやかで、それでいて力強い香りを発するメキシカンマリーゴールドが咲いていました。

「とても良い匂いで、好きな香り」と話すマネージャーのKathyさん。

なるべくキレイな匂いをそのまま残しつつ、植物らしさは全面に出すぎないようにしたかったので朝一番の新芽だけを使うことにしました。

〈Tasting Note〉

トップノートに来るのは力強いメキシカンマリーゴールドの香り。とても表現が難しく、暖かく、白い匂い。白ぶどうを想起する瞬間もある。白ワインのバレルで1ヶ月だけフィニッシュをかけたこともあり、奥にバターもいる。新芽から出てきた独特の苦味が梨の細い酸味と合わさって、複雑ながら気持ちいいバランス。ガスも強い。ボディーが厚いので、いつもよりしっかり冷やしても負けない味わい。乾杯から1皿目までどうぞ。

蜂蜜:ミャンマー産蜂蜜
フルーツ&ハーブ:竜王「いえきち農園さんの幸水」、SOWER庭園の「メキシカンマリーゴールド」
発酵:主発酵終了後にメキシカンマリーゴールドを浸漬、白ワインのバレルでフィニッシュをかけた後に幸水の果汁を投入し、火入れ。
アルコール: 11.2%
pH: 3.99
残糖: 37.5g/L
内容量:500ml

〈Mead making〉

なるべく苦い植物感が出すぎないようにフレッシュなメキシカンマリーゴールドの新芽を使って香りを出しました。発酵を通さずに香りをつけたのは、Kathyさんが思うメキシカンマリーゴールドの匂いをそのまま出したかったから。

それでもやっぱり苦味がきつくなりすぎたので、和梨で柔らかい甘味と酸味を加えてバランスを整えました。どこか嗅いだことがありそうで、まったくない、そんな香りのお酒です。大人なニュアンスも多分にあります。白ワイン樽でのフィニッシュもパキッとした印象がついて、深みがつきました。