〈Brewer's Note〉Wilt

熱い同い年の農家さん・「Nice grapes」大間さん。

前作「Pluck」では、軽いマスカットの風味に蜂蜜由来の花の香りを優しく添えました。シャインマスカットの異なる表情を引き出すべく、二作目は完熟したシャインマスカットを使い仕込みました。

名前は、Wilt。
萎れる、という意味。完熟したシャインマスカットは青いときのパリッとした感じではなく、少し水分が抜けて、酸が糖に変わり、落ち着ききった印象。

甘さを表現したミードを作り、香りをもっと強調すべく日本お茶割り協会代表の多治見さんに依頼して取り寄せた紅茶「裏ベニ」も使用しました。

分厚い味わいに緊張感を持たせるためにウィスキー樽で2ヶ月のフィニッシュ。
冬から春にかけてゆっくりと飲みたいです。

大間さんが書いてくれた紹介文です。

〈Who's Oma, Nice grapes〉

1994年生まれ。山梨県で生まれ、小さな頃からブドウ栽培を見ていた大間さん。今年の栽培について教えてもらいました。

⭐︎栽培について

栽培していて常に意識していることは、
手入れ作業や除草作業は、適期にやる!
を意識して栽培しています。

葡萄作りは、一見自然に任せてできているように見えて
かなりの人の手が入っています。
色々な作業工程がある中で、葉っぱの枚数や地温など色々な指標があります。
ただここ数年の異常気象で、作業工程が反対になったり一気にまとまったりと
教科書通りにはいかなくなってきています。
その年その年の環境変化に柔軟に対応することが求められています。
僕は、葡萄だけを見るのではなく
葡萄の周りの環境を見るように意識しています。
足元の草 立木類の生育 虫達 鳥の声

気候は毎年変化していますが、植物の生育過程はそんなに大きくは変わらないです。

この花が咲き出した頃に、葡萄のこの作業をしていたな、と思い出して

一つの判断材料にしています。

適期に作業をする事で、無駄な消毒を減らすこともできますし
省力化にもなります。
何より高品質な葡萄を作る一番の近道だと思っています。

⭐︎ミードを飲む人たちへ

シャインマスカットがもっと身近な存在になってくれたら嬉しいです!
そのまま食べるてももちろん美味しいですが
料理に使ったり、お酒になったりと
シャインマスカットの新しい可能性を見つけてもらえたらと思います。

〈Tasting Note〉

紅茶葉の香りとシャインマスカットの皮から出てきた少し湿った香りが混じり艶かしい印象。見た目は濁りがある茶色。蜂蜜の甘さの後ろからシャインマスカットのじんわりとした旨味がでてきて、フィニッシュに渋みと樽香が来る。

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スタイル:Pyment

ABV(アルコール度数):11%

炭酸:微発泡

内容量:500ml

原材料: 蜂蜜、シャインマスカット、紅茶

甘さ(10段階):8(Sweet)

飲み頃温度:しっかり冷やして(4-8℃)

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〈Mead making〉

しおれさせたシャインマスカットを頂き、房から1粒ずつシャインマスカットを摘み、ミキサーにかけて蜂蜜と混ぜ込み。発酵中期に紅茶葉を浸漬。紅茶葉を取り出したのちにウィスキー樽で2ヶ月間のフィニッシュ。瓶詰め。